『フィリッポヴィッチ氏経済原論』の続編とでも言うべきもので、フィリッポヴィッチ (Philippovich, Eugen von) の『経済学綱要』中の『経済政策』を訳出したもの。訳者が述懐しているように、フィリッポヴィッチの『経済政策』を気賀勘重に勧めたのはライプツィッヒ大学のビュヒャー (Bucher, Karl) であった。時は、気賀が彼の地に滞在していた1900年にさかのぼる。この年の冬学期における講義でビュヒャーは学生に対して「『フィリッポヴィッチ』氏の経済政策第一巻を取てこれを精読研究」することを希望したというのだ。ビュヒャーはドイツ歴史学派の系譜を引く学者であるから彼はロッシャー等々をさしおいて、フィリッポヴィッチを勧めたことになる。歴史学派の研究方針にも一定の理解を示したフィリッポヴィッチのスタンスをよく示す評価である。(池田幸弘) |
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