画像一覧 > Das Bankwesen Japans / 気賀勘重



  気賀勘重がライプツィッヒ大学に提出した学位論文、「日本の銀行制度」。古代から現代にいたるまでの日本の銀行制度を鳥瞰する。参考文献リストには、ロッシャー (Roscher, Wilhelm Georg Friedrich)、クニース (Knies, Karl Gustav Adolf)、ワーグナー (Wargner, Adolf Heinrich Gotthilf) の他、コーン (Cohn, Gustav) の『国民経済学体系』やフィリッポヴィッチ (Philippovich, Eugen von) の『経済学綱要』が挙がっている。フィリッポヴィッチについては、後年気賀はその訳業に従事する事になる。この学位論文で、著者は1902年の銀行制度改革について言及している。これに先立つ1900年から1901年にかけて日本では多くの銀行が倒産しており、当時銀行業について何らかの規制を講じることが焦眉の課題となっていた。気賀の態度は当為の政府の判断とは異なり、過度な規制は不要だというものであった.社会政策学会右派とは異なる気質の政策的な立場を明瞭に読み取る事ができる。商学部金原文庫からの出典。タイトル・ページに「1930年10月15日、気賀教授より」とある。(池田幸弘)


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