画像一覧 > 日本経済大典 第一巻 / 瀧本誠一編



  滝本誠一が編者となって編纂した経済から農政・法制分野にまで及ぶ、わが国を代表する文献史料集(全54巻)。収録されている文献の年代も、江戸時代を中心としながら律令時代より明治初期に至る期間をカバーしている。こうした史料の蒐集・刊行の必要性が認識されたのは、1912年にまでさかのぼる。河上肇が蒐集家として知られていた滝本の蔵書の学術的価値を評価し、この蔵書を中心に1915年「日本経済書展覧会」が東大で開催、またこの時に滝本がなした講演(「徳川時代の経済思想」)の評判がきっかけとなって『日本経済叢書』(全36巻、1914-7年)が編集・刊行された。本書はこれに関東大震災によって刊行が中断された『続日本経済叢書』(全4巻、1923年)、さらにその後に発見・蒐集した未刊本も加えて再編集したものであり、収録文献の総点数はおおよそ570点にも及ぶ。本書がその後の日本史研究に寄与したところは極めて大きく、滝本の最大の業績とも言われる。展示品は類聚国史(菅原道真)、御成敗式目(北条泰時)などを収録した第1巻。(三島憲之)


    1/4    

    1/4