画像一覧 > 簿記学階梯 / 森下岩楠, 森島修太郎合著
森下岩楠は和歌山県出身で、最初期の慶応義塾において教鞭をとった人物である。その後は『時事新報』の記者などを経て、東京興信所の所長を務めた。本書は、1878年、岩崎弥太郎と共に三菱商業学校の創設に関与した頃の著作である。ここで紹介しているのは初版ではなく、1888年刊行の再版であり、初版との異同は不明である。 本書では、金銀出納表、請取手形帳などの書き方を紹介しているが、日記や仕訳帳の書き方も説明している。題名は「簿記学」としているが、それ以外にも商業上に必要な記録の取り方などを全般的にとり扱っている。本書は版を重ねているので、ある程度一般には普及したものと思われ、本書によって当時の商業における具体的な慣習を理解することもできる。なお、とり上げている具体例は、同じく森下による『民間簿記学』より広範囲を扱っている。 共著者の森島修太郎は、同じく和歌山県出身の士族であり、慶応義塾に学んでいる。三菱商業学校で教鞭をとり、三菱本店副支配人なども務めた。森下とは他に『民間簿記学』を共著で出版している。 (坂本慎一) |
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